メディア総合研究所  

メディア総合研究所は次の3つの目的を掲げて活動していきます。

  1. マス・メディアをはじめとするコミュニケーション・メディアが人々の生活におよぼす社会的・文化的影響を研究し、その問題点と可能性を明らかにするとともに、メディアのあり方を考察し、提言する。
  2. メディアおよび文化の創造に携わる人々の労働を調査・研究し、それにふさわしい取材・創作・制作体制と職能的課題を考察し、提言する。
  3. シンポジウム等を開催し、研究内容の普及をはかるとともに、メディアおよび文化の研究と創造に携わる人々と視聴者・読者・市民との対話に努め、視聴者・メディア利用者組織の交流に協力する。
Media Research Institute
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『放送レポート』(隔月・年6回)、『メディア関連資料』CD版(年2回)が届けられます。また、研究所が行う催しには無料、または割引で参加することができます。
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160-0008 新宿区四谷三栄町6-5 木原ビル2F
Tel: 03-3226-0621
Fax: 03-5361-8225
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声明・アピール

テレビ朝日の『ザ・スクープ』継続を要望する声明

2002年07月25日
メディア総合研究所

この声明は下記の賛同人の方々が発表したものです。
なお、声明文はテレビ朝日社長宛に郵送されました。


テレビ朝日の『ザ・スクープ』継続を要望する声明

2002年7月25日

 2002年7月 テレビ朝日の『ザ・スクープ』が9月限りで打ち切られようとしている。日本の民放テレビで数少ない報道番組のひとつとして、権力監視、社会正義の追求に果たしてきたこの番組の存在意義は大きい。とくに桶川女子大生殺人事件では、鳥越俊太郎キャスター以下の粘り強い調査報道で警察の捜査怠慢を暴露、同時にマスコミによる被害者の人権侵害を指摘、2001年の日本記者クラブ賞を受賞した。
 日本のテレビで最初にダイオキシン問題を追及したのも同番組であり、その他にも多くの疑惑事件の真相に迫る調査報道を続けている。放送作家の石井彰氏は「打ちきりで喜ぶのは、この番組で真実の姿をさらしてきた腐敗堕落した警察・検察と、悪徳政治家や官僚たちである」と断じている(東京新聞 7.2)。
 このような番組が消えるのは、放送ジャーナリズムの衰退を象徴する。日本社会の現実に批判のメスを入れて問題を提起する地味な番組が次々と消え去り、全体として面白志向、娯楽番組に傾斜する放送界は、民主主義社会の推進のために果たすべき放送の役割を軽視・放棄していると言わざるを得ない。
 私たちは、激しい企業競争の中で、高視聴率を取りにくいこの種の番組をこれまで存続させてきたテレビ朝日の志と努力を高く評価するものである。しかし、放送の公共性を考えれば、番組はひとり放送事業者のものではなく、視聴者・市民のものである。これまでも幾たびにわたり放送時間枠の変更を乗り越え、熱心な視聴者をひきつけてきた同番組の力量を考えれば、今回の打ち切りはそうした視聴者への裏切りとも言える。私たちは『ザ・スクープ』が存続を維持し、今後も日本の放送ジャーナリズムに良心の火をともしつづけることを期待して止まない。
 同時にこの際、日本の放送界がこの種の番組の重要性を再認識し、権力監視、社会正義の追求をめざす調査報道の必要性を深く考えることを提起する。世論の不信を背景にしたメディア規制諸法案に対抗する最善の道は、社会に不可欠なメディアの存在意義を視聴者・市民が確認できる積極的なジャーナリズム活動であることを強調したい。

賛同人(五〇音順)
梓澤和幸、飯田正剛、壱岐一郎、石川明、石川旺、伊藤洋子、岩崎貞明、太田喜晟、音好宏、香取淳子、上滝徹也、小玉美意子、志賀信夫、鈴木みどり、須藤春夫、関千枝子、田島泰彦、谷口源太郎、茶本繁正、服部孝章、原寿雄、黄盛彬、藤久ミネ、前澤猛、松田浩、丸山重威