メディア総合研究所  

メディア総合研究所は次の3つの目的を掲げて活動していきます。

  1. マス・メディアをはじめとするコミュニケーション・メディアが人々の生活におよぼす社会的・文化的影響を研究し、その問題点と可能性を明らかにするとともに、メディアのあり方を考察し、提言する。
  2. メディアおよび文化の創造に携わる人々の労働を調査・研究し、それにふさわしい取材・創作・制作体制と職能的課題を考察し、提言する。
  3. シンポジウム等を開催し、研究内容の普及をはかるとともに、メディアおよび文化の研究と創造に携わる人々と視聴者・読者・市民との対話に努め、視聴者・メディア利用者組織の交流に協力する。
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声明・アピール

Vチップ制度の性急な導入に反対するとともに、放送界の青少年問題への積極的な対応を求めるアピール

1998年09月11日
メディア総合研究所

9月11日に、メディア研究者、教育研究者、ジャーナリスト、弁護士、視聴者・市民グループなどが連名で「Vチップ制度の性急な導入に反対するとともに、放送界の青少年問題への積極的な対応を求めるアピール」を発表しました。

 その後も多くの方から賛同署名をお寄せいただき、今後まだ署名が届くことも考えられますが、郵政省の「青少年と放送に関する研究会」が12月7日に報告書を発表することでもあり、このアピールへの署名は11月末日をもって締め切りました。



青少年保護を理由に、テレビへのVチップ(暴力や性表現など一定の番組を遮断できる装置)制度導入に向けた動きが強まっています。Vチップ導入の是非は、放送のあり方の根幹にかかわる問題であり、放送界だけでなく、視聴者を含め広く社会的な議論が求められます。 

 もともとこの問題は、郵政省の「多チャンネル時代における視聴者と放送に関する懇談会」で議論され、1996年12月の最終報告では「現状においては時期尚早」とされたテーマでした。ところが、少年による凶悪事件の多発などを背景に、今年に入って、文部省の「中央教育審議会」や首相直属の懇談会「次代を担う青少年について考える有識者会議」などが相次いでVチップ導入の検討を求める提言を公表しました。さらに、5月には郵政省に「青少年と放送に関する調査研究会」が設置され、この秋にも報告をまとめる予定になっていますが、ここでも、Vチップ制度の導入問題が焦点の一つになっています。

 欧米をはじめ諸外国では、暴力的なシーンや過剰な性表現を含むテレビ番組から青少年を保護するためのさまざまな取り組みが積み重ねられてきています。このなかには、アメリカやカナダで試みられようとしている、番組の格付けを伴ったVチップ制度が含まれているのも事実です。しかし、このVチップ制度をめぐっては、導入に踏み切っていない多くの国はもちろん、導入を決めたアメリカなどでも、放送界の内外で賛否両論が激しくたたかわされてきたのが実情です。暴力シーンと暴力行動との関係、表現の自由や放送の自由との関係、さらには制度の実効性など、この制度がかかわる重要な論点を考えると、異なる意見や立場がみられることは当然といえましょう。また、アメリカやカナダでは、暴力番組の青少年への影響につき、数十年にもわたる地道な調査研究と活発な論議が積み重ねられてきたことを考えなければなりません。

 今回の一連の動きについては、きちんとした調査研究やさまざまな観点からの議論の蓄積を待つことなく性急にVチップ制度の導入が図られているように思われます。また、放送の自由と深くかかわる問題であるにもかかわらず、政府主導のもと公的規制も念頭に置き、制度の導入が強引に進められているようにも見えます。私たちは、こうした状況を深く憂慮するものであり、このような形で公的規制色の濃いVチップ制度の導入が強行されることに強く反対します。

 もちろん、暴力や性表現などをめぐり、テレビが青少年との関係で多くの問題を抱えていることは確かです。これらに対する放送界の対応が、消極的かつ不十分であるという批判も免れません。私たちは、公権力による介入を許さず、放送の自由を守るためにも、この際、各放送局および放送界全体が青少年の保護と教育の問題に真剣に取り組み、自主的な対応の強化に努めるべきだと考えます。そのために、放送界は、良質な子ども番組の制作を第一の課題とすべきです。さらに、放送を支える不可欠のパートナーである市民・視聴者、専門家など広く各界の協力と参画を得て、恒常的な調査研究機関を早急に設置し、暴力番組と青少年の行動との関係の究明、Vチップの是非をはじめ時間帯制限やガイドライン策定、そして番組への苦情対応などの青少年保護の諸規制、メディアリテラシーの促進などの諸課題について調査・検討を加え、必要な自律的措置を全力で追求・実施していくことを強く要望するものです。